従業員のプレゼンティーズムとは?企業ができる健康支援と対策
「体調が悪くても、なんとか出社してこなしている」。そんな従業員の姿は、一見すると真面目で頼もしく感じられますよね。ですが実は、体調不良を抱えたまま働くことで生産性が下がる「プレゼンティーズム」は、企業にとって見えにくい大きな損失につながります。この記事では、プレゼンティーズムの意味や原因、そして企業ができる健康支援と対策を、中小企業の視点でわかりやすくお伝えします。
近年は「健康経営」という言葉が広まり、従業員の健康を経営課題として捉える企業が増えてきました。そのなかでプレゼンティーズムは、健康施策の効果を測るうえでも重要な視点として注目されています。まずは基本を押さえておくと、自社の取り組みを考えるヒントになりますよ。

最近さ、風邪ぎみでも無理して会社行ってる人多くない?

あー、いるいる。休むほどじゃないって言いながら、明らかに集中できてなさそうなんだよね。
プレゼンティーズムとは?欠勤との違い

プレゼンティーズムとは、出勤はしているものの、心身の不調によって本来のパフォーマンスを発揮できていない状態のことをいいます。頭痛や花粉症、睡眠不足、メンタルの不調など、理由はさまざまです。休むほどではないけれど、本調子でもない。そんな状態で働き続けると、作業効率が落ちたりミスが増えたりしますよね。
よく比較されるのが「アブセンティーズム」です。こちらは病気や体調不良で欠勤・休職している状態を指します。欠勤は数字として見えやすいので把握しやすいのですが、プレゼンティーズムは出勤しているぶん表面化しにくく、気づかないうちに損失が積み重なっていくところが厄介なのです。
実は、企業が負担する健康関連コストのなかで、医療費や欠勤よりもプレゼンティーズムによる損失のほうが大きいという調査結果もあります。目に見えないからこそ、意識して向き合う必要があるテーマだといえますね。
たとえば、季節の変わり目に軽い風邪や花粉症で体調を崩す人は少なくありませんよね。「熱はないから大丈夫」と出社しても、鼻づまりや倦怠感で集中しきれず、いつもより仕事が進まない。本人も気づかないうちに、こうした状態が積み重なっているケースは多いのです。
海外の研究では、こうした「出勤しているのに力を発揮できていない時間」の損失が、欠勤による損失を上回るという報告もあります。日本の職場でも、まじめに出社する文化があるぶん、実はプレゼンティーズムの影響を受けやすいと考えられているのです。
欠勤(アブセンティーズム)は「休んでいる」ため見えやすい損失、プレゼンティーズムは「出勤しているのに力を発揮できていない」ため見えにくい損失です。まずはこの違いを理解することが、対策の第一歩になります。
プレゼンティーズムが起きる主な原因

プレゼンティーズムは、特定の一つの理由だけで起こるわけではありません。日々の小さな不調が重なって、少しずつパフォーマンスを下げていくことが多いのです。ここでは代表的な原因を整理してみます。
身体的な不調
肩こりや腰痛、頭痛、花粉症、生理痛、睡眠不足など、慢性的な身体の不調は集中力を奪います。デスクワーク中心の職場では、肩や腰の不調を抱えながら働いている人が意外と多いものですよね。
こうした不調は「病院に行くほどではない」と後回しにされがちです。ですが、慢性的な痛みや不快感は、じわじわと集中力を削っていきます。ちょっとしたストレッチの習慣や、作業環境の見直しだけでも、改善につながることは多いのです。
メンタル面の不調
ストレスや不安、気分の落ち込みなども、仕事の効率に直結します。人間関係の悩みや業務量のプレッシャーが続くと、出社していても頭が働かない、という状態になりがちです。
メンタル面の不調は本人も気づきにくく、周囲からも見えづらいのが難しいところです。だからこそ、気軽に相談できる窓口や、定期的に状態を確認できる仕組みがあると、早めのケアにつながりますよね。
健康への不安を放置していること
「なんとなく体調が気になるけれど、病院に行く時間がない」。そうやって不安を抱えたまま働いていると、集中力が続かないことがあります。健康診断やがんリスク検査などで早めに状態を把握できると、こうした漠然とした不安は軽くなりますよね。
もう一つ見落とされがちなのが、生活習慣の乱れです。睡眠時間が足りていなかったり、食事や運動のバランスが崩れていたりすると、日中の集中力が続きにくくなります。仕事のパフォーマンスは、実は勤務時間外の過ごし方とも深くつながっているのです。

たしかに、健康診断って会社で受けるだけで、そのあと放置しがちかも。

わかる。結果見て終わり、みたいな。ほんとは気になるところをフォローできると安心なんだけどね。
プレゼンティーズムが企業に与える影響
プレゼンティーズムは個人の問題にとどまりません。積み重なると、組織全体に静かに影響を広げていきます。
まず、生産性の低下です。一人ひとりの効率がわずかに落ちるだけでも、人数が増えれば全体としては大きな差になりますよね。また、不調を抱えた人がミスをすると、周囲がフォローに回る必要が出てきて、チーム全体の負担も増えていきます。
さらに、不調を我慢し続けた結果、最終的に長期の休職や離職につながってしまうケースもあります。そうなると採用や引き継ぎのコストもかかり、企業にとっては二重三重の損失です。だからこそ、不調が小さいうちに気づき、支えられる仕組みが大切になるのです。
加えて、不調を抱えた人が我慢して働く姿が「当たり前」になってしまうと、職場全体に無理をよしとする空気が広がることもあります。そうなると、若手ほど「体調が悪くても休みにくい」と感じ、早期離職の一因になることもあるのです。健康を大切にする姿勢を会社が示すことは、働きやすさの土台づくりでもありますね。
| 区分 | 状態 | 企業への影響 |
|---|---|---|
| アブセンティーズム | 欠勤・休職している | 人手不足が明確に表面化する |
| プレゼンティーズム | 出勤しているが不調で力を出せない | 見えにくいまま生産性が低下する |
| 健康な状態 | 心身ともに良好で集中できる | 本来のパフォーマンスを発揮できる |

プレゼンティーズムをめぐるよくある誤解
プレゼンティーズムは比較的新しい考え方なので、誤解されていることも少なくありません。ここで代表的なものを整理しておきますね。
「気合いの問題」ではない
体調が悪くても頑張ることを美徳とする考え方は根強くあります。ですが、集中力や判断力は気合いだけでは補えません。無理を続けるほど回復に時間がかかり、結果的に生産性が下がってしまうこともあるのです。
健康な人にも起こりうる
プレゼンティーズムは、持病のある人だけの話ではありません。睡眠不足や軽い体調不良など、誰にでも起こりうる身近なものです。だからこそ、特定の誰かの問題ではなく、職場全体で向き合うテーマだと考えるとよいですね。
プレゼンティーズムを把握する方法
対策を考える前に、まずは自社の状況を知ることが大切です。とはいえ、プレゼンティーズムは数値として見えにくいため、いくつかの方法を組み合わせて傾向をつかんでいくのが現実的です。
セルフチェックやアンケート
従業員に体調や集中度を尋ねる簡単なアンケートは、手軽に始められる方法です。「ここ1か月、体調のせいで仕事がはかどらなかったと感じた日はありましたか」といった質問だけでも、傾向は見えてきますよね。
健康診断やストレスチェックの活用
すでに実施している健康診断やストレスチェックの結果を、点で終わらせず継続的に見ていくことも有効です。数値の変化に早めに気づければ、大きな不調になる前に手を打ちやすくなります。
産業医や専門家との連携
必要に応じて産業医や外部の専門家に相談できる体制があると、把握の精度は上がります。小規模な企業でも、外部サービスをうまく使えば無理なく体制を整えられますよ。
把握の際に気をつけたいのは、従業員が安心して回答できる環境を整えることです。「答えたら評価に響くのでは」と感じると、本音は出てきません。匿名で集計する、結果を個人の評価に使わないと明言するなど、ちょっとした配慮が正確な把握につながりますよ。
企業ができるプレゼンティーズム対策

では、企業は具体的に何ができるのでしょうか。特別な設備や大きな予算がなくても、取り組めることはたくさんあります。
相談しやすい雰囲気をつくる
「体調が悪いときに言い出しにくい」という空気があると、不調を我慢する人が増えてしまいます。上司が普段から声をかけたり、休みを取りやすい雰囲気を整えたりするだけでも、状況は変わってきますよね。
たとえば、体調不良での早退や通院を「お互いさま」と受け止められる雰囲気があるだけで、従業員は無理をため込みにくくなります。制度をつくること以上に、日々のちょっとした声かけや姿勢が効いてくる部分ですね。
働き方を柔軟にする
在宅勤務や時差出勤、休憩の取りやすさなど、働き方に少し余白があるだけで、体調に合わせた調整がしやすくなります。無理をして出社し続けなくてよい選択肢があることは、従業員にとって大きな安心につながります。
もちろん、すべての職種で在宅勤務ができるわけではありません。ですが、始業・終業の時間に少し幅を持たせたり、体調が悪いときに短時間勤務を選べるようにしたりと、業種に合わせた工夫がきっと見つかります。大切なのは「体調に合わせて調整できる」という選択肢を用意しておくことです。
健康を見直すきっかけを用意する
健康診断に加えて、がんリスク検査のような手軽に受けられる検査機会を用意すると、従業員が自分の体と向き合うきっかけになります。健康への漠然とした不安が軽くなれば、目の前の仕事にも集中しやすくなりますよね。こうした健康支援を福利厚生として整えることが、プレゼンティーズム対策として効果的です。
検査を受けて「異常なし」と分かるだけでも、漠然とした不安が減って気持ちが軽くなることがあります。逆に早めに気になる点が見つかれば、重くなる前に対処できます。どちらに転んでも従業員の安心につながる、というのが健康支援の心強いところですね。
大切なのは、どれか一つを完璧にやろうとしないことです。相談しやすい雰囲気づくり、柔軟な働き方、健康を見直す機会。この三つを少しずつ組み合わせていくだけでも、従業員が無理をため込みにくい職場に近づいていきます。まずは自社でできそうなところから始めてみるとよいでしょう。

会社が健康のこと気にかけてくれると、それだけで働きやすそうだよね。

ほんとそれ。無理しなくていいって思えるだけで、逆に集中できる気がするもん。

健康支援型の福利厚生という選択肢

プレゼンティーズム対策として注目されているのが、健康支援に力を入れた福利厚生です。従来の福利厚生は手当や休暇制度が中心でしたが、近年は「従業員の健康そのものを支える」タイプの制度が広がっています。
背景には、人手不足や物価高のなかで「一人ひとりに長く元気に働いてもらうこと」の価値が高まっていることがあります。従業員の健康を支えることは、めぐりめぐって会社の安定にもつながる。そう考える経営者が増えているのです。
たとえば、自宅でできる検査や医療機関での受診サポート、健康に関する相談窓口などを組み合わせることで、従業員は不調を早めにケアできるようになります。こうした仕組みは、こまめに体調を整えられる環境づくりにつながり、結果として組織全体のパフォーマンス維持にも役立ちますよね。
もちろん、こうした制度を自社だけで一から整えるのは大変です。選択肢の一つとして、健康支援に特化した福利厚生サービスを活用する方法もあります。自社に合う形を検討してみるとよいでしょう。
とくに中小企業の場合、大企業のように専任の産業保健スタッフを置くのは難しいことも多いですよね。だからこそ、外部の健康支援型サービスを活用して「仕組みで支える」考え方が現実的です。担当者の負担を抑えながら、従業員には手厚いサポートを届けられるのが利点です。

- プレゼンティーズムは中小企業でも問題になりますか?
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はい。人数が少ない企業ほど一人あたりの役割が大きく、不調による影響が組織全体に及びやすい傾向があります。規模にかかわらず意識しておきたいテーマです。状況によって対策の優先度は異なるため、まずは自社の実態を把握してみると安心です。
- プレゼンティーズムはどうやって把握すればよいですか?
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アンケートや簡単なセルフチェック、産業医との面談などで傾向をつかむ方法があります。数値化しにくい部分もあるため、複数の方法を組み合わせて全体像を見ていくとよいでしょう。
- 福利厚生で健康支援を始めるにはどうすればよいですか?
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健康診断の後のフォローや、手軽に受けられる検査機会の提供から始める企業が多いです。自社に合う形は業種や人数によって変わるため、まずは相談してみると進めやすくなりますよ。
宮城・東北の中小企業が今できること
地域の中小企業では、限られた人数で多くの業務を回していることが少なくありません。だからこそ、一人ひとりの体調が組織全体に与える影響は、都市部の大企業以上に大きいとも言えますよね。
まずは、体調不良を言い出しやすい雰囲気づくりから。そのうえで、健康を見直すきっかけとなる検査機会や相談先を用意しておくと、従業員は安心して働き続けられます。人を大切にする姿勢は、採用や定着の面でもプラスに働きますよ。
求職者が会社を選ぶとき、給与や仕事内容だけでなく「安心して長く働けそうか」を重視する人は増えています。健康を大切にする姿勢が伝われば、それ自体が企業の魅力になりますよね。プレゼンティーズム対策は、守りだけでなく攻めの意味も持っているのです。
「何から手をつければいいか分からない」という場合は、健康支援に詳しいサービスに相談してみるのも一つの方法です。自社の状況に合わせて、無理のない範囲から始めていきましょう。

健康支援型の福利厚生「Premiumまも〜る」

プレゼンティーズムは、目に見えにくいからこそ、日々の小さな健康支援の積み重ねが大切です。合同会社NESTI INNOVATIONでは、宮城・東北を中心に、従業員が健康を見直すきっかけとなる検査機会を含む健康支援型の福利厚生「Premiumまも〜る」をご案内しています。従業員の健康支援を検討中でしたら、まずはお気軽にご相談ください。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療・医学的助言を目的とするものではありません。体調に不安がある場合は、必要に応じて医療機関にご相談ください。
