福利厚生費として認められる条件は?経費にできる例・できない例

福利厚生を充実させたいと考えたとき、「その費用は経費として扱えるのだろうか」と気になる経営者や経理担当者の方は多いですよね。福利厚生にかかった費用は、一定の条件を満たせば「福利厚生費」として経費に計上できます。ただし、条件を満たさないと給与とみなされ、思わぬ課税につながることもあります。この記事では、福利厚生費として認められる基本的な条件や、経費にできる例・できない例を、中小企業の視点でわかりやすく整理してお伝えします。

なお、税務の取り扱いは個別の状況や最新の制度によって変わります。この記事は一般的な考え方を知るためのものとして参考にしていただき、実際の判断は税理士など専門家に確認することをおすすめします。

とはいえ、基本的な考え方を知っておくだけでも、「これは経費にできそう」「これは確認が必要かも」と見当をつけられるようになります。専門家に相談する際も、前提を理解していればスムーズに話が進みますよね。

税理士に相談する際は、「どんな目的で」「誰を対象に」「いくらくらい」支出するのかを整理して伝えると、的確なアドバイスをもらいやすくなります。準備しておくと相談の時間も有効に使えますよ。

また、国や自治体の制度は年度ごとに見直されることがあります。以前は問題なかった扱いが変わることもあるため、定期的に最新の情報を確認する習慣を持っておくと安心です。専門家との付き合いを続けておくと、こうした変化にも気づきやすくなりますね。

福利厚生の費用って、全部経費にできるわけじゃないんだよね?

そうなんだよね。条件を満たさないと給与扱いになっちゃうこともあるみたい。基本を知っておくと安心だよ。

福利厚生費とは?

福利厚生費の扱いを確認する経理のイメージ

福利厚生費とは、会社が従業員のために支出する費用のうち、給与や賞与とは別に、働きやすい環境づくりや生活の支援を目的としたものをいいます。健康診断の費用や社員旅行、慶弔見舞金、レクリエーション費用などが代表的な例ですね。

ほかにも、通勤手当や社宅の提供、健康診断、社内の食事補助、資格取得の支援など、その範囲は意外と広いものです。日ごろ何気なく支出しているものの中にも、福利厚生費として整理できるものがあるかもしれませんね。

福利厚生費は、条件を満たせば会社の経費として計上でき、従業員側も給与として課税されません。会社にとっても従業員にとってもメリットのある仕組みですが、その分「本当に福利厚生といえるのか」という点が問われます。特定の人だけが得をするような支出は、福利厚生費として認められにくいのです。

つまり、福利厚生費は「うまく使えば節税にもなり、従業員にも喜ばれる」一方で、「使い方を間違えると給与とみなされて課税される」という、二つの側面を持っているのですね。だからこそ、基本の条件を正しく理解しておくことが大切になります。

たとえば、社長や一部の役員だけが利用できる高級な施設の会員費などは、福利厚生ではなく給与や役員報酬とみなされることがあります。「会社のみんなのためのものか」という視点が、判断の出発点になるのですね。

福利厚生費は、従業員の働きやすさや生活を支えるための費用です。条件を満たせば会社は経費に計上でき、従業員も課税されません。ただし「一部の人だけが得をする支出」は認められにくい点に注意が必要です。

福利厚生費として認められる基本の条件

支出を福利厚生費として扱うためには、いくつかの共通した条件があります。細かい基準は費用の種類によって異なりますが、大きな考え方を押さえておきましょう。

全従業員が対象であること(機会の公平性)

特定の役員や一部の従業員だけが利用できるものは、福利厚生費として認められにくくなります。「希望すれば誰でも利用できる」状態であることが基本です。公平性は、福利厚生費を考えるうえでとても大切なポイントですね。

全員が使えるかどうか、が大事なんだね。

そうそう。一部の人だけだと福利厚生とは言えないもんね。だから制度設計のときから公平性を意識するといいんだって。

金額が社会通念上、常識の範囲であること

あまりに高額なものは、福利厚生の範囲を超えていると判断されることがあります。「一般的に見て妥当な金額か」という視点が求められます。

金額の目安は費用の種類によって異なり、慶弔見舞金や社員旅行などにはある程度の相場観があります。迷ったときは「世間一般の会社と比べて極端ではないか」を一つの基準にするとよいでしょう。

現金支給ではないこと(原則)

現金をそのまま渡すと、給与とみなされやすくなります。福利厚生としてのサービスや現物の提供、あるいは会社が直接費用を負担する形が基本になります。

たとえば、健康診断であれば会社が医療機関に直接費用を支払う、社員旅行であれば会社が旅行代金を負担する、といった形です。従業員の手元に現金が渡らない仕組みにすることが、福利厚生費として扱ううえでのポイントになります。

経費にできる例・できない例

福利厚生の内容を検討する様子

具体的にどのようなものが福利厚生費として認められやすいのか、代表的な例を整理してみます。ただし、同じ項目でも条件によって扱いが変わることがあるので、あくまで目安として捉えてくださいね。

福利厚生費の判断について相談する様子
認められやすい例認められにくい例
全従業員対象の健康診断費用役員だけの高額な人間ドック
常識の範囲の慶弔見舞金過度に高額な祝い金
全員参加できる社員旅行一部の人だけの旅行・現金支給
常識の範囲の飲食(社内行事)特定個人への高額な飲食接待

こうして見ると、「みんなが対象」「金額が常識的」「現金そのものではない」という三つの視点が、判断の軸になっていることが分かりますね。

この三つを意識すれば、だいたい判断できそうだね。

うん。あとは迷ったら専門家に聞く。これが一番安心だよ。

福利厚生費と間違えやすい費用

福利厚生費は、他の勘定科目と混同されやすい費用でもあります。正しく区別しておくと、経理処理でも迷いにくくなりますよ。

給与・賞与との違い

特定の従業員に個別に支給されるものや、現金で渡されるものは、福利厚生費ではなく給与として扱われることが多いです。全員が対象かどうか、現物やサービスかどうかが分かれ目になります。

交際費との違い

取引先の接待などにかかる費用は交際費であり、従業員のための福利厚生費とは区別されます。同じ飲食費でも、社内の全員参加行事であれば福利厚生費、社外の接待であれば交際費、というように目的で分かれます。

こうした区別を意識しておくと、いざ経理処理をするときに「これはどの科目だろう」と悩む時間が減ります。日ごろから目的を意識して記録しておく習慣が、正確な処理につながりますね。

研修費との違い

業務に必要な知識やスキルを身につけるための費用は、福利厚生費ではなく研修費として扱うのが一般的です。目的が「業務のため」か「生活・健康の支援のため」かで考えると整理しやすいですね。

この「目的で考える」という視点は、福利厚生費全般に共通する考え方です。どの科目に当てはまるか迷ったときは、まず「この支出は何のためのものか」を言葉にしてみると、判断の手がかりになりますよ。

健康支援にかかる費用の扱い

健康支援サービスの費用を確認する様子

近年増えている、健康支援型の福利厚生にかかる費用はどう扱われるのでしょうか。健康診断やがんリスク検査などの健康関連の費用は、全従業員を対象とし、常識的な金額であれば、福利厚生費として認められやすいと考えられています。

従業員の健康を守る取り組みは、企業にとっても生産性の維持につながる大切な投資です。経費として扱えるかどうかは条件によりますが、健康支援を「福利厚生として整える」ことで、税務面でも扱いやすくなるケースがあります。ただし判断は個別の状況によるため、導入前に税理士に相談しておくと安心ですね。

健康支援を単発の取り組みではなく、制度として整えておくことには、税務面以外の利点もあります。従業員にとって「いつでも使える安心」につながり、会社としても継続的に健康づくりを進められる。仕組みにしておくことのメリットは大きいのですね。

従業員の健康を支える取り組みは、これからの企業にとって欠かせないものになっています。費用面の理解を深めておくことで、安心して健康支援に投資できるようになりますね。

健康支援型の福利厚生は、比較的新しいサービスも多く、税務上の扱いが一律に決まっていない部分もあります。だからこそ、導入を検討する段階で「これは福利厚生費として扱えるか」を確認しておくと、あとで慌てずにすみますよ。

健康支援型の福利厚生を検討する際は、こうした費用面も含めて、自社に合った形を選ぶことが大切です。選択肢の一つとして、外部の福利厚生サービスを活用する方法もあります。

福利厚生は、内容が充実していても、従業員に使われなければ意味がありません。費用の扱いだけでなく、「本当に従業員が喜び、活用してくれるか」という視点も忘れずに選びたいですね。

外部サービスを利用する場合、その利用料が福利厚生費として扱えるかどうかも、事前に確認しておきたいポイントです。全従業員が対象で、内容が健康支援や生活支援にあたるものであれば、認められやすいと考えられますが、詳細は個別に確認するのが確実ですね。

福利厚生の費用はすべて経費にできますか?

いいえ。福利厚生費として認められるには、全従業員が対象であること、金額が常識の範囲であること、原則として現金支給でないことなどの条件があります。条件を満たさないと給与とみなされる場合があるため、注意が必要です。

現金で渡す福利厚生は経費になりますか?

現金をそのまま支給すると、給与として課税される可能性が高くなります。福利厚生としては、サービスや現物の提供、会社が直接費用を負担する形が基本です。判断に迷う場合は税理士に確認するとよいでしょう。

健康支援の費用は福利厚生費になりますか?

全従業員を対象とし、常識的な金額であれば、福利厚生費として認められやすいと考えられています。ただし取り扱いは個別の状況によって異なるため、導入前に専門家へ相談しておくと安心です。

福利厚生費を正しく活用するためのポイント

最後に、福利厚生費を上手に活用するために、日ごろから意識しておきたいポイントを整理します。

制度として明文化しておく

「誰が」「どんなときに」「どのように」利用できるのかを、社内規程などに明記しておくと安心です。公平性が明確になり、税務上の説明もしやすくなります。口約束ではなく、ルールとして残しておくことが大切ですね。

とくに人数が増えてくると、「あの人には認めたのに」といった不公平感が生まれやすくなります。あらかじめルールを決めて全員に共有しておけば、そうしたトラブルも防ぎやすくなりますよ。

記録・書類をきちんと残す

領収書や利用記録などをきちんと保管しておくことも重要です。あとから「これは何の費用か」を説明できるようにしておくと、税務調査などの際にも慌てずにすみます。

迷ったら早めに専門家へ

判断に迷う費用は、後回しにせず早めに税理士へ相談しましょう。処理してしまったあとで修正するのは手間がかかります。最初に確認しておくほうが、結果的に手間もリスクも減らせますよ。

顧問税理士がいる場合は、新しい福利厚生を始めるタイミングで一度相談しておくとよいでしょう。制度設計の段階からアドバイスをもらえれば、税務面でも安心して運用を始められますね。

健康支援型の福利厚生「Premiumまも〜る」

NESTI INNOVATION

福利厚生費は、条件を正しく理解して活用すれば、従業員の満足度を高めながら経費として扱える心強い仕組みです。合同会社NESTI INNOVATIONでは、宮城・東北を中心に、健康支援型の福利厚生「Premiumまも〜る」をご案内しています。福利厚生の導入を検討中でしたら、まずはお気軽にご相談ください。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務・法律・医学的な判断を保証するものではありません。税務の取り扱いは個別の状況や最新の制度によって異なるため、具体的な判断は税理士などの専門家にご確認ください。